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5月10日は、コットンの日です

北東アジア

 5月10日は「コットンの日」。この記念日はコットンが夏物素材として店頭に勢揃いし、販売の最盛期を迎える“コットンのベストシーズン”であることと、さらに5月10日の語呂合わせで、1995年に日本紡績協会が提唱。日本記念日協会から正式認定を受け、制定されました。
 私たちにとって最も身近な繊維コットンですが、サステナビリティの重要性が世界的に高まる中、コットンの生分解性の高さが再認識され、さらにサステナブルな栽培方法による綿花が求められるようになっています。サステナブルな綿花生産を長年実践してきたアメリカの綿花団体である国際綿花評議会(CCI)と日本紡績協会が中心となり、例年5月にコットンの日を祝う「コットンの日のイベント」が日本で開催されてきましたが、今年は新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け開催は延期となりました。毎年このイベントにはコットンのイメージにふさわしい有名人が選出され「COTTON USAアワード」が贈られます。昨年はタレントの吉田沙保里さんが受賞しました。

コットンについて
 コットンは、はるか7,000年以上も前から、人々をやさしく包んできた私たちにとって最も身近な繊維です。
 コットンは、ハイビスカスや芙蓉(フヨウ)の花と同じあおい科の植物です。春に種を蒔くとぐんぐん育ち、やがて花が咲きます。開花直後の花はクリーム色をしていますが、2日目にピンク色に変わり、2~3日で花は落ち、その後コットンボールと呼ばれる青い実(朔)をつけます。やがて、成熟したコットンボールがはじけて、白い綿の繊維があふれ出ます。この植物繊維が、衣料の原料として使われています。種の表皮細胞が細長く生長したものがコットンの繊維です。

 日本ではあまり見かけないコットン畑、どんなところで栽培されているかというと、実は世界70数カ国で栽培されています。コットンは暖かい気候で育つ植物なので、熱帯、亜熱帯気候の地域を中心に栽培されています。世界中のコットン生産量は、年間およそ2600万トン。中でも中国、インド、アメリカが三大生産国です。このうち、日本がもっとも多く輸入しているのはアメリカで、アメリカは世界最大のコットン輸出国として知られています。

 アメリカのコットン畑は、南部に広がっています。東海岸のノースカロライナ州から西海岸のカリフォルニア州までの17の州にまたがる「コットンベルト(綿花地帯)」が形成されています。

コットンの特長
 コットンの繊維を顕微鏡で覗いてみると、その表面は細かいらせん状の畝(ウネ)構造をしています。これが、柔らかくてしなやかな肌ざわりの秘密。また、繊維の先端は丸いので、チクチクすることなく、赤ちゃんのデリケートな肌もやさしくつつみます。
 夏場の心地よさもコットンならではです。 その理由は、コットン特有の性質として水分を吸ったり、発散したりするからです。さらにコットンは保温性にも優れています。コットン繊維の中心部は、“中空”になっていて、この中に空気を含んでいるので軽くて暖かいのです。一年中、やさしい着心地を約束してくれます。
 また、静電気を起こしにくいというのも特性のひとつです。
 コットンが肌着としてよく利用されるのは、肌ざわりの良さはもちろん、清潔好きな素材だから。コットンは、肌の汚れや汗を繊維のなかにぐんぐん吸い取ります。 それでいて、汗などのいやなニオイも、吸湿性のない繊維に比べればぐんと抑えられます。
 洗濯にも強い。コットンは、水に濡れると繊維の強さが増すので、しっかりした布地ならゴシゴシ洗っても大丈夫。そしてアイロンにも強い繊維なのです。